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木の葉のようにもてあそばれる、
シケの海の船上で一緒に旅をしているスペイン人のマリオは、
これは珍しい体験だ、これを見逃す手はない
と言いながら無敵艦隊の司令官のごとく
甲板にすっくと立ち上がり、
海の状況を見つめている。
流石である。
ゲエ、ゲエ吐いているワタシとは、
大違いである。
そういえば、先日ティマラフシに向かう船の中で、
南十字星のまたたく南洋の夜空を見上げながら、
クリスチャンのマリオが「ぼくは、どこかに神という存在がいる気がする。」
と語ってたのを思い出す。
神とともにある彼には、
恐怖というものが存在しないのかもしれない。
しかし胃がでんぐり返って、
絶え間なく吐いている私には、
神も仏もあったものではない。
海の男たちは、嵐がすこしおさまってくると、
慣れたものでしけの海の上でも、
器用にタバコに火をつけプカプカやっている。
小一時間もすると、しけは嘘のようにおさまり、
静かな海にもどった。
助かったという安堵感とともに、
全身に溜まっていた疲れがどっと出てきた。
嵐のお蔭でティマラフシに帰れないので、
その日は近くにある島に泊まることとなった。
島民は、何処から来たとも知れぬ若者に、
快く宿を提供してくれた。
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