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【モルディブ】 ドーニ

カテゴリー: アジア

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島民が、近くの島に用事があるので
一緒に行かないかと誘ってくれた。

「食っちゃ寝」の単調な島の生活に飽きてきていた私は、
二つ返事で行くことに決めた。

モルディブの船は、
ドーニと呼ばれる帆船だ。

なかなか美しいフォルムをしたドーニは、
昔からモルディブの海の男たちにとって唯一の足であり、
生活手段だった。

それだけに男たちのドーニに対する
思い入れは深い。

彼等は、あたかも恋人に接するかのように
大切にドーニを扱う。

乗り込んだ船は、
エンジン付のドーニで、
土地の人は「エンジンのドーニ」と呼んでいた。
(ちなみに従来からの帆船はマスト・ドーニと呼ぶ。)

ドーニに魅せられ、
自分でもドーニを所有している
アメリカ人の青年にマーレで会ったが、
彼が「最近はエンジン付きのドーニが出てきて
便利になったが、なんだかロマンがなくなったね。」
と淋しそうに語ったのを思い出す。

船は、近くの島へ買い物にでも行くのだろう、
5、6人の男たちと子供が一人乗っている。

今日は朝から「モルディブ晴れ」と言いたいような
雲ひとつ無い良い天気だ。

船の内部は、いつも積んでいるであろう
カツオの匂いもしないほどきれいに磨きあげられいる。

船の中央部には甲板はなく、
丸みを帯びた船の骨格がむき出しになっている。

そこに渡してある補強用の板に腰を掛け、
海をぼんやりと眺めていると、
ここちよいエンジン音が、
子守唄に聞こえてくる。

海の向こうで何かが跳ねたので、
はっとなって見てみるとトビウオの群れだった!

子供の頃絵本で、
飛ぶ魚もいるんだと興味深く読んだものだが、
それを目の前で見るのは感激だった。

着水を間違えて、
船に飛び込んでくる「おっちょこちょいのトビウオ」もいるという。

テグスと釣り針を借りて、
ほんのお遊びのつもりで走っている船から投げ込んでみた。

餌は持ってこなかったので、ナシ。

私は「今から鯨を釣るから見てろよ。」と冗談をとばしながら、
釣り糸を垂れていると、
5分ぐらいしてアタリがあった!

またゴミでも引っ掻けたかと思って引いてみると、
タチウオが銀色の鱗を輝かせて躍り上がった!

この海にはたくさんの魚がいるんだ。



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